人物を手早く描く基本 男性編
-
著者:羽川幸一/編集:角丸つぶら
ISBN:9784798616148
-
出版年月日:2018/1/31
判型・ページ数:B5変
人を描くときに「モデルの特徴をしっかりつかみなさい」とよく言いますが、実は、これは大きな間違いなのです。人物の味が最初から出てしまうデッサンは、リアル感に欠けたよくないデッサンです。人物を描くには一定の法則があり、上手く描くにはもっとも「単純な形体」から組み立てていくことが重要なのです。たとえば幾何形体の円筒形を基に描き、最後の肉づけ段階でその人の個性を盛り込めばよいのです。
本書は、男性の生き生きとした動きを描くためのさまざまな方法を解説するものです。デッサンは写真トレスではありません。写真そっくりに描いても絵になりません。そこで、理想的な体型の男性像デッサンを中心に展開し、現実にいる人物表現から簡略化されたキャラクター表現まで対応できるようにします。そのために、「線主体のデッサン」と「調子をつけたデッサン」を使い分けて、わかりやすく解説していきます。
さらに本書は、デッサンの考え方と具体的な練習方法を解説し、目的に合ったリアルな人物像が描けるようにするため、たくさんのワザを提案します。その方法の1つにジェスチャードローイングと呼ばれる描き方があります。3分程度で大きな形を伸びやかな線でとらえる方法で、動きのあるポーズを素早く描く練習に最適です。
●その他、本書のキーワードとして
・美しさや強さには理由がある……「リズム」がポーズの美しさを生み、動きがリアルになる。人体の動きを描いているうちにそのリズムを見つけ出そう。
・全身や腕、脚の法則……らせん構造の法則を覚えれば、見なくても描けるようになる。
・背中の法則……男は背中で魅せる。筋肉の見え方が違ってくる「背中」に注目する。
・首の法則……力強い首にするコツは首スジにある。胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)がつくるラインをとらえて、形と動きを表す。
目次
人物を手早く描くために
第1章 人体を素早く描く基本
短時間描きのすすめ
短時間で描くデッサンの実践
人体の比率と目印を覚えること
コラム地と図でシルエットをとらえる
第2 章 人体は円筒形でとらえよう!
立ちポーズに円筒形を活用する…全身と部分をとらえよう
寝ポーズに円筒形を活用する…遠近感の強い見え方を円筒形でとらえよう
座りポーズに円筒形を活用する…部分の傾きをとらえよう
腕のポーズに円筒形を活用する…部分を重ねてとらえよう
第3 章 各部位とその筋肉をとらえよう!
頭部〜首の動きをとらえる
上半身と腕の動きをとらえる
とくに背中と腕の動きをとらえる
腕〜手の動きをとらえる
手と指の動きをとらえる
手にものを持たせる
コラム両腕で抱える動作を考察する
下半身と脚の動きをとらえる
第4 章 全身の連続ポーズ 立つ• 歩く• 座る 日常動作編
立ちポーズの動きを描く
座るポーズの動きを描く
座るから立つまでの動作を応用
コラムシワは緩急をつけて描く
第5 章 ダイナミックに動くポーズ 応用• 表現
投げるポーズの動きをとらえる
屈むポーズの動きをとらえる
起き上がるポーズの動きをとらえる
反るポーズの動きをとらえる
押すポーズの動きをとらえる
自由に踊るポーズの動きをとらえる
動きによってできる服のシワをとらえる